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出張先でのできごと。

大きな商業施設に入っている、その地域では有名なラーメン店に、一度入ってみようと、
スタッフと一緒に入りました。

 

私たちの前に一組の年配のご夫婦が、
先に席に案内されました。

お二人は、大きなリュックを背負っていらっしゃいました。

このご夫婦のお一人が、
テーブル席の奥に入ろうとしたときに、
背中のリュックサックが、隣の席のお水のグラスにあたり、
ぱ~ん!と飛んで、グラスは割れ、お水が飛び散ってしまったのです。

私たちの目の前の光景に、おどろきです。

また、間の悪いことに、たまたま、グラスを飛ばされたテーブルの人たちの、
おいしそうなラーメンが出来上がったところでした。

当事者は重ねての残念、です。

 

さて、お店のスタッフの対応は、丁寧で親切。

よかったです。
程なくして収まりました。

しかし、ひとつ残念だな、って思ったのは、
その3人は、おいしいラーメンを、

おいしい状態で食べられなかっただろうこと。

 

後片付けをしている間に、やっぱり麺が伸びちゃいますものね。

厨房からもその状況が見えていたので、
もしかしたら、新しく作ってあげるのかな~?と思っていました。

お店のミスではないので、
作り直す義務はないかもしれないけれど、
でも、もしも作り直してあげたら、
伸びたラーメンを食べるのかあ、とあきらめていたお客様もうれしいでしょうし、
私も良かったな、って。

ですから、私は、「すぐに作り直します!」って言葉が聞こえるのを待っていました。

しかし、その言葉が聞こえることはありませんでした。

きっと、お水の被害にあった若い3人も、
こちらのラーメンを食べるのを楽しみにしてきたはず。

でも、お店を出るときの後味は良くないはずです。
のびたラーメンも決しておいしくなかったでしょうし。

次にそのお店に行こうという気持ちになるでしょうか。

たぶんならないでしょうね。

 

リュックサックを背負っていたご夫妻はどうでしょう。
申し訳なくて、足が遠のくかもしれません。

そして、周りにいた私たち。
やはり、あまり楽しい気持ちではなく、
積極的にもう一度!という気持ちは、
心の奥では、なえてしまったかもしれません。

 

もしも、「すぐに作り直します!」という言葉が聴けたとしたら、
すべての人が、お店を出るとき、また別の気持ちが味わえたのではないかと思います。

少なくとも私は「ああ、よかったな~」って、温かい気持ちになれたと思うのです。

これは、フロアスタッフの判断では難しいこともあるでしょう。
責任者の判断です。

目先の損失よりも、先につながることを優先させることも大切。

だって、ビジネスは誰かを幸せにするために行っているのですから。
決して無理難題ではないからです。

願わくば、
こうした状況に、スタッフが「すぐにお作りします!」」と言えるような仕組み、
あるいは日ごろの教育があったら、すばらしいな~って思います。

お店を出るときにお客様に笑顔で幸せな気持ちになってでていただく、
それを心におくことができれば、
それぞれの役割ですることが決まってくるはずですね。

 

 

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