「相手の立場に立つ」ことを実感した忘れられない思い出
いまでもその日の出来事を鮮明に思い出す、地下鉄の駅があります。
名古屋駅から地下鉄東山線で1区。「伏見駅」です。
もうずいぶん前のことですが、
伏見駅の地下鉄入り口のところで、
お年を召したおふたり(後にご夫婦とわかりました・・・)から、
「すみません、名古屋駅へ行くバスはどこから乗ればいいのですか?」
と、聞かれました。
地下鉄入り口で聞かれたものですから、
地下鉄のほうが便利だと思い、
「こちらが地下鉄の入り口ですから、
名古屋駅でしたら、ここから地下鉄にお乗りになるのが
便利で早いと思いますが、・・・」
と、私は答えたのです。
おふたりのうちの男性の方が、
「ありがとう、でも、地下鉄は階段の上り下りが多いので
とても私たちには大変なのです・・・」
そうか、そうですよね。
バスならば、階段は1~2段ですもの・・・。
「相手の立場に立つ」ことが大事!と日ごろお話しする立場にありますが、
なんと自分の立場でしか、考えていなかったことでしょう。
もしかすると、こうして知らず知らずのうちに、
「便利」という言葉で、相手に押し付けていることがあったかもしれないと
反省しました。
私は、
「そうですよね・・階段は大変ですものね。
それでは、バス停は私もわかりませんので、近くで聞いてみます」
と、近くの方に聞いて確認し、バス停にお二人をご案内しました。
私もちょうど名古屋駅へ向かうところでしたから、
バスでお供させていただきました。
さて、
「相手の立場に立つ」ことは大切です。
私の立場に立って考えてくれているなと感じると、
人はうれしいものだからです。
相手の立場に立つという「言葉」を知っているだけでなく、
相手の身になって考え、どのように「行動」するか・・・
頭でわかっていても、なかなかできないものだなあと。
だからこそ大切なのですね。
その駅を通ると、時折思い出す、
ずいぶん時間がたってはいるものの、私には忘れられない出来事です。
相手の立場にたつとは、
実は、自分事として考えるということでもあるのでしょう。
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