プロ講師という仕事に就いたきっかけ
「どうしたら、三厨さんのようなプロ講師になれますか?」という質問を時々いただきます。
現在、研修講師になって27年目ですが、プロ講師になるきっかけは、「社内インストラクターの仕事」でした。
私の仕事は人材育成コンサルタント。
企業・医療機関・介護施設など法人の社員の皆様への研修や講演、組織改革のコンサルティングを行っております。
私が今の仕事でプロになると決めて、普通のOLから転職し、(財)日本総合研究所の研究員として歩み始めたのは、
1990年。
今でこそ転職は珍しくありませんが、都会ではない岐阜(笑)では、当時、女性が転職で会社を辞めることは、あまりなかったと思います。
私がOLをしていた会社の女子社員の退職理由は、結婚か出産。
それ以外の理由だと、「何かあったの???」と噂話になる時代でした。笑
OLを卒業することからさかのぼること5年前。
当時、総務課に所属していた私は、採用の仕事も担当し、その流れで研修の仕事をすることになったのです。
私が勤務していた会社は、地元では評判がよい会社でした。
「あの会社の女性社員をお嫁にするとよい」「あの会社の女性社員はしつけが行き届いている」という評価が高かったのですね。
その評判が落ちてきたということで、総務から指令が下り、急に東京へ勉強に行くことになりました。
勉強のために出向いた東京の研修の会場で、私は大阪からいらした大会社の人事課長の女性と出会います。
彼女は私にこう言いました。
「女子社員教育社内インストラクターという仕事があるのよ。勉強してみない?」と。
思えば、これが私の運命を大きく変えた出来事でした。
それを聞いた好奇心旺盛な私は、「なになに???面白そう、やってみたい!!」!と心に火がついてしまったのですから。
会社に戻り「社内インストラクターをやりたいので、勉強させてください」と常務に直談判したところ、
「女子社員にそんなにお金をかけることはできない。もしもやるなら、3年はやること。途中でやめられては困る」というご返事。
「やります!!私は女二人姉妹の長女で、仮に結婚しても岐阜から離れることはありませんから、万が一結婚しても仕事を続けて、必ず3年はやります!」
迷わずこのように答えた私。
この時、絶対に3年はやめるもんかと決意したのです。
こうして、常務を口説き落とし!?、大阪で開催される「女子社員教育社内インストラクター養成研修」に5日間参加できることになりました。
それが1985年2月のこと。
その研修から戻って1ヶ月強で、1週間の新入社員合宿研の全体のプログラムを組み、ビジネスマナー研修のテキストを作り、講義原稿を作成して練習しました。
事務局として合宿研修のお世話係をしながら、社長や各部門長が研修講師をなさる隙間時間に、ビジネスマナーを教える社内インストラクターとして、私は登壇デビューしたのです。
はじめて社内インストラクターの仕事を経験したとき、「こんなに面白い仕事があるのか!!!」と体中がわくわくしましたね。
なんて素晴らしい仕事なんだろうと思いました。
こうして、社内インストラクターとしての第一歩を踏み出した私。
ここから私の講師人生が始まったのです。
(次回へ続く)
三厨万妃江の著書『人生を変えるマナー』は、いかがですか?
さまざまな企業様で、ビジネスマナー教材としても、導入していただいている書籍です。
ぜひ、ご一読ください。一生使えるマナーの道標としていただけたら幸いです。