「こちら、コーヒーになります」は、間違った言い方です。ビジネスマナー違反していませんか?

人生を変えるマナー』著者の三厨万妃江(みくりや まきえ)です。

新入社員の皆さんが社会人になって苦労することの一つが「言葉遣い」です。

その中でも、学生時代は当たり前のように使っていたのに、「え~~~?間違っていたの??」と驚き戸惑う言葉の一つを紹介しますね。

それは

「~になります」

です。

たとえば、こんなふうに使います。

「課長、お探しの書類はこちらになります

「お客様が探しの商品は、こちらになります

「こちらコーヒーになります

このように文章にしてみると、確かによく使う、と思い当たる方、いらっしゃいますよね。

しかし「~になります」は間違っていると言われても、ではいったい、どのように言い換えたらいいのでしょう。

特に飲食店でアルバイトをしていた方は、「こちらコーヒーになります」を、正しいと思い、あるいは、このように使いなさいと教えられたことがあるかもしれません。

アルバイト先でよく使われることから、間違っているいくつかの言葉をまとめて「アルバイト言葉」と言われています。

もし、まだ使っているとしたら「アルバイト言葉」を抜け出し、社会人にふさわしい言葉遣いができるようになりましょう。

「~になります」が間違っている理由

まずは、「~になります」が、どうして間違っているのか、解説いたします。

「なります」は「なる(成る)」の丁寧な表現です。

「なる」とは、辞書を引きますと、「前の状態から別の状態に変化するさま」と書いてあります。

つまり、目の前のコーヒーは、「これからコーヒーになる」のではなく、もうすでに「コーヒーとして存在している」のです。

「こちらコーヒーになります」と言われたら、

「いつコーヒーになるんですか?いまはまだコーヒーではないのですか?」

と、ツッコミたくなるのは、私だけでしょうか?笑

このように考えると、前の状態から別の状態に変化するわけではないコーヒーには

「なります」は使えないとわかりますね。

もともと、コーヒーなのですから。

アルバイト言葉のなおしかた

しかし、頭で理解はできても、使い慣れた言葉を修正することは、なかなか難しいもの。

ここで、どのように頭の中で変換して言葉にすればよいのかを考えておきましょう。

もし、「~になります」と言いそうになったら、「~ございます」「~です」に置き換えてください。

ほとんどの場合、これでうまくいきます。

「課長、お探しの書類はこちらの書類になります」→「課長、お探しの書類はこちらでございます(です)

「お客様のお席はこちらになります」→「お客様のお席はこちらでございます(です)

「こちらコーヒーになります」→「こちらコーヒーでございます(です)

このように、「になります」を「ございます」に置き換えて、意識して、自分の口癖を修正しましょう。

もちろん「です」でも間違いではありませんが、「ございます」を使えるほうが

より丁寧ですから、この機会にぜひ「ございます」をマスターしたいですね。

おそらく「~になります」が口癖の方は、一日に何度もこの表現を使っているはず。

ですから、たった一つではありますが、この言葉を使わずに正しい表現ができるようになると、それだけで、あなたの言葉遣いは格段によくなります。

ぜひ試してみてくださいね!

それから、私は大丈夫!と思っている方でも、気づかないうちに使っていることがあります。

新入社員研修を毎年行っていますが、「こんなに使っているのに、指摘されて初めて気づいた」という新入社員の方も少なくありませんでした。

私は大丈夫!と過信しないで、振り返ってみてください。

正しく美しい日本語が使える人との会話は、相手は「大切にされている」と思うものです。

それだけ、気持ちよく過ごすことができます。

こうして周りの方と気持ちよく過ごすことができれば、人間関係はよりよくなるはず。

そしてそれはきっと、仕事にも良い結果をもたらします。

投稿者プロフィール

『人生を変えるマナー』著者 三厨万妃江
『人生を変えるマナー』著者 三厨万妃江
有限会社 キャリア・サポート 代表取締役

人材育成のプロとなって約30年、その間、関わった受講者は15万人以上。

従来サービス業の視点を持たなかった業種に、サービス業としての視点を取り入れることで売上やお客様応対を向上させる取り組みや、社内のホスピタリティ力を高めることで、お客様へのホスピタリティをより発揮できる社員を育成する教育や人材育成の仕組みづくりを得意とする。

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