ビジネスマナー 職場の報連相「悪い報告」は上がってきますか?

職場の報・連・相。

仕事の基本ですが、できていないと嘆かれる経営者や管理職の方が多いものです。

特に
「悪い報告が上がってこない、もしくは遅い」
というご意見を聞きます。

そのために、対応が遅れて、手遅れになったり、コトが大きくなってしまったり。
あるいは、知らずにいて、恥をかいた、などということが起こっています。

どのようにしたら、解決するのでしょうか?

ある製造業でのお話。

新入社員のAさんはラインの仕事をしていて、
しまった!とちょっとしたミスをしました。

しかし、ほんのちょっとのことなので、
もしかすると、気づかないほどかもと思い、
そのまま放置して仕事を続けました。

しかし、時間がたつにつれ、
放置したまま仕事をしていることが苦しくなり、
勇気を出して、リーダーに伝えました。

「しかられる・・・・!」
Aさんはそう思いながら報告したのですが、
リーダーから出た言葉は

「教えてくれてありがとう。」

でした。

 

そして、状況を詳しく教えてほしいと言われ、
すべてのラインを止め、
点検作業に入り、全員で問題解決に当たった、というお話です。

Aさんは、ミスをした自分に

「教えてくれてありがとう」

という言葉がかけられるとは思いませんでした。

この経験は、その後のAさんの大きな糧となったのです。

 

さて、このお話から、報告について掘り下げて考えてみましょう。

ひとつは、「悪い報告」だと決めているのは誰か?ということです。

Aさんはミスをした自分の報告は「悪い報告」と思い込んでいたので、言いにくかったのでしょうし、しかられると思っていました。

 

しかし「ありがとう」と返ってきたことから、
必ずしもこの報告は「悪い報告」ではないと

学んだのですね。

むしろ、報告しないことが「いけない行為」であると。

 

もちろん、ミスをすることはよくないこと。

しかし、報告しないことは、

もっと悪いことだということです。

 

ミスをしないための方策は大切ですが
もしかすると、

「ミスを報告するとしかられる」

という職場環境になっていないか、

一度振り返ってみる必要があります。

 

まずは、職場内で考え方の軌道修正を全員でしましょう。

そして、報告を受ける上司の方は、
その瞬間の表情や、声のトーン、使う言葉、
事前に確認し、できれば決めておきましょう。

 

ご自身の中に「悪い報告」という考えがあると、そんな表情、声のトーン、言葉になってしまいますから。

 

鏡の前で練習してみてもいいですね。

上司であるあなたの言動は、

部下の皆様から見られています。

 

投稿者プロフィール

『人生を変えるマナー』著者 三厨万妃江
『人生を変えるマナー』著者 三厨万妃江
有限会社 キャリア・サポート 代表取締役

人材育成のプロとなって約30年、その間、関わった受講者は15万人以上。

従来サービス業の視点を持たなかった業種に、サービス業としての視点を取り入れることで売上やお客様応対を向上させる取り組みや、社内のホスピタリティ力を高めることで、お客様へのホスピタリティをより発揮できる社員を育成する教育や人材育成の仕組みづくりを得意とする。

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