電話応対のビジネスマナー。「お急ぎでしょうか」を使わないほうがいい理由。

キャリア・サポートの三厨 万妃江(みくりや まきえ)です。

「お急ぎでしょうか」

私がある企業様へ電話をしたとき、
(仕事の用件ではなくお客様の立場で)
お取次ぎいただきたい方がいらっしゃらず、
電話口で、このように言われました。

比較的よく聞くせりふですね。

私、困ってしまいました。

急いでいるといえば急いでいるし、
急いでいないといえば急いでいない。(笑)

なので、その通りお伝えしました。

「今から30分後には会議が始まるので、
以降、電話に出られないという点では急いでおりますが、
用件については明日のご連絡でもかまいませんので、
その意味では急いではいません。」と。

でも内心、「早く終えたいな」って気持ちはありました。

さて、私は、ビジネスマナー研修などで
電話応対についてお話をするとき、
このせりふ「お急ぎでしょうか」を「使わないでください」とお伝えしています。

お客様の立場に立ってみると、まず、
「早くしてほしい」「自分を一番にしてほしい」と思うのが
あたりまえじゃないかな、 って思うからです。

言葉にする人としない人がいるだけ。

お客様によっては、
「あ~~~急いでいるから、すぐにすぐに!!」と
おっしゃる方、いらっしゃいますね。

そのため、取り次ぐことが難しい(進行に妨げが出るなど)
会議中に取り次いで、
担当者が急いでお客様に折り返してみたら、
実はそれほどお急ぎのご用件ではなかったため、
取り次いだ人が注意を受けた、という話も少なくありません。

取り次いだ人は良かれと思ってしたことなのに、
という思いが残りますね。

あ、これも、担当者が「急いではいなかった」と感じただけで、
お客様は「早く」と思っていらっしゃったのかもしれません。
今回の私の「内心」のように。

私はお客様にこのようにお聞きする必要はないと思っています。

お急ぎであろうとなかろうと、今できる最善をつくすことが
すべきこと。

もちろん、できることとできないことが、その時点であるはず。

ですから、自分のできる最善案あるいは代替案を
お客様にご提案し、お客様にご納得いただいて選んでいただけば
いいのだと思います。

もしも「お急ぎでしょうか」のせりふのあとに、
「私のできること」をご提案するとしたら、と
考えてみましょう。

このせりふっておかしいな?って思うはずです。

「お急ぎでしょうか。
お急ぎでしたら、会議中ですがすぐに取り次ぎ、
担当者よりお電話させていただきますし、

お急ぎでなければ、会議が終わる15時すぎにお電話させて
いただきます。
いかがいたしましょうか。」

って、なんだかおかしくないですか?

たとえ、15時でいいですよ、って答えたとしても、
取り次げるならすぐに取り次いでよ!って内心、
もやもやしたものが残りそうです。

お客様には、その会議が取次ぎが難しい状況かどうかなんて
わかりませんものね。

であれば、

「申し訳ございません、あいにく三厨は会議中で
15時ごろ終了の予定でございます。
終わりましたらお電話させていただくということで、
お願いできませんでしょうか。

(あるいは、お許しいただけませんでしょうか、など。)」

とお伝えする方法もあります。

このようにお伝えし、それでもどうしても、とおっしゃれば、
考えればよいことです。

もちろん、お客様ご立腹のときなど状況に応じることは
必要ですが・・・

お客様にとって、同じ選択をするにしても、
私だったら後者のほうが気持ちがいいなと思います。

お客様応対は、答えがひとつではありません。

ですから、自分自身がお客様として素敵な応対だと思うものを、
まずはまねしてみることが大切です。

別の方法がいいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
他にもいい方法がありましたら、ぜひ教えてくださいね!

投稿者プロフィール

『人生を変えるマナー』著者 三厨万妃江
『人生を変えるマナー』著者 三厨万妃江
有限会社 キャリア・サポート 代表取締役

人材育成のプロとなって約30年、その間、関わった受講者は15万人以上。

従来サービス業の視点を持たなかった業種に、サービス業としての視点を取り入れることで売上やお客様応対を向上させる取り組みや、社内のホスピタリティ力を高めることで、お客様へのホスピタリティをより発揮できる社員を育成する教育や人材育成の仕組みづくりを得意とする。

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